【8月21日 AFP】サッカーW杯(World Cup)の招致が予想されている中国は、大規模なサッカー関連インフラ改修計画の一環として、今週に入り北京にある有名な工人体育場(Workers' Stadium)の解体を急ピッチで進めた。

 北京の中心地にあるこの人目を引くスタジアムはほぼ全体が建て替えられ、改修工事の完了は2022年12月に予定されている。

 数十年にわたってランドマークとして親しまれた工人体育場には人々が集まり、スタジアムが数日のうちに更地になり、全エリアの観客席が取り壊されてゴールポストだけになる様子を目にした。

 人民共和国の建国10周年を記念した十大建築計画の一つとして建設され、約6万5000人を収容する工人体育場は1959年に開場した。

 中国名の略語である「工体(Gongti)」という愛称で知られる解体中の巨大スタジアムは、スーパーリーグ(1部)に所属する北京国安(Beijing Guoan)の本拠地であり、2008年に行われた北京五輪の会場にもなった。

 中国代表の試合では、同チームが黒星を喫してファンが暴動を起こしたことで知られる1985年の香港戦などが行われ、コンサートも開催された。

 また、2004年に行われた第13回アジアカップ(AFC Asian Cup)では決勝が行われたが、中国は反日感情が強い状況で因縁の日本に敗れたため、ファンによる抗議活動が起きた。

 中国はスタジアムの建設や改修を盛んに進めており、早ければ2030年のW杯で招致を行うかもしれないという期待が高まっている。

 改修された工人体育場は、2023年に行われる第18回アジアカップ(2023 AFC Asian Cup)の会場にも選ばれている。(c)AFP