トランプ氏の「郵便投票批判」 米大統領選の新たな障壁
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■「恥ずべき行い」
しかし、米連邦議会は今年3月に可決した2兆2000億ドル(約230兆円)規模の景気刺激策に続く追加対策法案をめぐり行き詰まっている。
トランプ氏は4月、郵便投票は「共和党にとって有利に働かない」と率直に述べた。さらに郵便投票は不正を助長すると繰り返し批判している。
しかし米ニューヨーク大学(New York University)ブレナン司法センター(Brennan Center for Justice)が今年発表した研究によると、「米国人は郵便投票で不正を行うよりも、雷に打たれる可能性の方が高い」という。
米国郵便事務労働者組合(American Postal Workers Union、APWU)のマーク・ディモンドシュタイン(Mark Dimondstein)議長は16日、 トランプ氏は「人々を投票から遠ざけるために、郵便局を飢えさせようとしている。恥ずべき行いだ」とAFPに語った。
APWUは、事業改革の下で導入された残業制限に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって4万人の局員が検疫を余儀なくされたために遅配が生じていると説明する。
■州レベルの動き
郵政公社は大幅に増えるとみられる郵便投票をさばけるのかという懸念が高まる一方で、各州は有権者の投票を確実に集計するために動き出している。
例えばペンシルベニア州は今月半ば、州最高裁に対し、郵便投票の集計期限の延期を求めた。14日の米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)によると、他の45州とコロンビア特別区(District of Columbia、首都ワシントン)でも同様の通知が送られたという。
「連邦議会には、何かの後ろに隠れるのではなく行動する責任がある。それは二大政党である民主、共和両党の議員に当てはまる」とディモンドシュタイン氏は述べた。(c)AFP/Chris STEIN and Claire SAVAGE