【8月19日 AFP】世界保健機関(WHO)は18日、各国に宛てた書簡で、新型コロナウイルスワクチンの国際共同プログラム「COVAXファシリティ(COVAX Global Vaccine Facility)」に直ちに参加するよう呼び掛けるとともに、ワクチン接種の最初の対象者の方針を明らかにした。

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 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はワクチン接種について、世界中の最もリスクの高い人口集団に同時に実施されなければ、世界経済の再建は不可能だと述べた。WHOが主導するCOVAXファシリティは、参加国が有効なワクチンの発見、製造、配布のため費用を出し合い報酬を分け合う取り組みで、約90か国が参加を表明している。

 テドロス氏は、COVAXファシリティを通して安全性と有効性が確認されたワクチンの接種開始が可能となった際、最初に接種対象となるのは第一線で働く医療従事者、65歳以上の成人および既往症のある患者ら、ウイルスの感染で最もリスクの高い各国の人口の20%に当たる人々だと明言。インターネット上で開いた記者会見で「この(新型コロナウイルスの)パンデミック(世界的な大流行)を終結させ経済を再開する最速の方法は、一部の国の人口全体を守るのでなく、すべての国で最もリスクの高い人々を守ることから始めること」だと説明した。

 研究者や製薬大手がワクチン製造で競争を繰り広げる中、現在ヒトでの臨床試験が行われている候補29種類のうち、9種類がCOVAXファシリティの対象となっている。(c)AFP/Robin MILLARD