【8月17日 AFP】(更新)ベラルーシで論争を巻き起こしている大統領選で、最有力対立候補のスベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏(37)は17日、同国の政権を引き継ぐ準備ができていると表明した。同大統領選をめぐっては、アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領に対する抗議デモが続いている。

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 チハノフスカヤ氏は、亡命先のリトアニアからビデオメッセージで「政治家になりたかったわけではない。しかし運命の導きで、専制政治と不正に対抗する前線に自分の姿を見た」と語り、「私は責任を引き受け、この期間に国の指導者として活動する準備ができている」と述べた。

 これに先立つ16日には、今月9日の大統領選で得票率80%での勝利を主張しているルカシェンコ大統領に対し、過去最大となる数万人規模の抗議デモが首都ミンスクで行われていた。

 チハノフスカヤ氏は政治経験はないが、自身の夫も含め、他の対立候補が収監されたことを受けて立候補した。ルカシェンコ大統領が今回の選挙で不正を働いたと非難しており、投票のやり直しを要求している。

 チハノフスカヤ氏は先週、隣国リトアニアに出国。同氏の支持者らは、政府からの圧力を理由に挙げている。同氏は以後リトアニアから、抗議デモに加え、警察による粗暴な弾圧に対する司法の裁きを呼び掛けていた。

 同時にルカシェンコ大統領の辞任も求めていたが、チハノフスカヤ氏自身が大統領に就任する意志があるかどうかは不明だった。

 17日のメッセージで大統領職を担う考えを明示した同氏は、「国の平静を取り戻すため…すべての政治囚を解放し、可能な限り早く、新たな大統領選の実施に向けて法的な枠組みと条件を整えていくため」と説明した。(c)AFP