【8月20日 東方新報】中国共産党中央委員会は、新型コロナウイルス感染症との闘いに顕著な貢献をした模範的な人物に「共和国勲章」と「国家名誉称号」の授与を行うことを決定した。共和国勲章受章者にノミネートされているのは国家衛生健康委員会の新型コロナ専門家チームのリーダーとして活躍し、新型コロナウイルスの人から人への感染を最初に公表して、感染拡大防止に貢献した鍾南山(Zhong Nanshan)医師。1936 年生まれ。広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)呼吸器疾病研究所所長であり、中国工程院士で中国の呼吸器感染症の最高権威でもある。2003年SARS感染対応の陣頭指揮を執り、その存在が世界にも知られることになった。今回、SARSにおける経験をいかし、新型コロナウイルスで突出した知見と指導力を発揮した。

 国家栄誉称号は3人に授与される予定で、中医薬の新型コロナウイルス治療の導入を指導し成果を上げた、天津中医薬大学(Tianjin University of Traditional Chinese Medicine)の張伯礼(Zhang Boli)副書記、最初に新型コロナ患者7人の治療に当たり、その病理研究をいち早く展開した武漢市(Wuhan)金銀潭医院の張定宇(Zhang Dingyu)院長、新型コロナウイルス感染症発生後、武漢で防疫コントロール指揮を執り、基礎研究とワクチン開発などの方面で重大な成果をあげた軍事科学院軍事医学研究院生物工程研究所の陳薇(Chen Wei)所長がノミネートされている。

 市民の意見を十分に取り入れ、世論の監督を受け入れるため、8月3日から7日までの間に大衆のパブリックコメントを募集し、特に異論がでなければ、授与が決定され、秋にも北京・人民大会堂で習近平(Xi Jinping)国家主席による授与式が行われる予定。

 共和国勲章は社会主義建設と国家防衛に重要な貢献と卓越した功労があり、道徳と人格がすぐれ、かつ人民が認めた傑出した人物に送られる最高栄誉で2016年に創設された。初授与式は2019年9月29日で、「中国水爆の父」と呼ばれる中国科学院(Chinese Academy of Sciences)院士の于敏(Yu Min)博士や、中医薬・黄花蒿からマラリア治療薬に使われるアルテミシニンを発見によりノーベル生理学・医学賞を受賞した屠呦呦(Tu Youyou)博士ら9人が受賞している。 (c)東方新報/AFPBB News