【8月18日 東方新報】中国では猛暑の影響をうけて、この夏も安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)の巣湖(Chao Lake)の藍藻(アオコ)が急速に繁殖し、水面がまるで緑のペンキに塗られたようで、ひどい腐臭を放っている。アオコとは富栄養化が進んだ湖などで浮遊性藍藻が大発生し水面を覆い尽くすほどになった状態だ。藻類ブルームとも呼ぶ。これが繁殖しすぎると、水中が酸素不足を起こし、魚類の大量死なども引き起こす。目下、合肥市はアオコの繁殖を妨害する柵を作り、サルベージや分離、汚染防止に力を入れ、アオコ退治に取り組んでいる。

 8月5日には、安徽省合肥市太東郡(Taidong)の生態環境当局が、サルベージ船や重機を使って岸辺の樹木や水中の水草などアオコ増殖の栄養分となる腐敗物を除去し、またアオコ自体もポンプでくみ上げて運び出した。

 巣湖は中国五大淡水湖の一つだが、例年アオコ被害が深刻だ。合肥市は毎年、大量の資金を投じ、生活排水の流入を防ぐために周辺の住民を移住させたり、湖岸線を整備したり、さまざまな作戦をもってアオコ繁殖防止に当たっているが、なかなか改善していない。

 そこで、合肥市が巣湖藍藻藻類ブルーム観測予警模擬分析プラットフォームを導入した。

 アオコ自体は自然生態現象であり、根本的解決は難しい。だが、観測予警によって、爆発的にアオコが増えそうな傾向が見えれば、いち早く対応に取り掛かることは可能だ。こうした観測予警プラットフォームを開発したのは中国科学院(Chinese Academy of Sciences)南京地理湖泊研究所で、昨年に太湖で試験的に導入し、成果をあげたという。このプラットフォームは藻類ブルーム現象と天地空を一体化して観測し、水環境の動力学を数値モデルで示す技術を核心としている。藻類ブルームが起きる時期を比較的正確に予測し、一週間前に予警予報を出せるという。

 これが巣湖に応用できるか。巣湖のアオコは突発性の強さが特徴なので、もし予警ができれば、湖の水質管理改善の一助になることは間違いない。 (c)東方新報/AFPBB News