【8月17日 AFP】ロードレース世界選手権(WGP 2020)第5戦、オーストリアGPは16日、MotoGPクラスの決勝が行われ、ドゥカティ(Ducati Team)のアンドレア・ドビツィオーゾ(Andrea Dovizioso、イタリア)が、波乱に富んだレースを制した。

 チーム・スズキ・エクスター(Team SUZUKI ECSTAR)のジョアン・ミル(Joan Mir、スペイン)が最終コーナー前にプラマック・レーシング(Pramac Racing)のジャック・ミラー(Jack Miller、オーストラリア)を抜いて2位となり、シュピールベルク(Spielberg)で5年連続の優勝を果たしたドゥカティ勢のワンツーは阻止した。

 前日に今季限りでドゥカティを離脱することを発表していたドビツィオーゾは、「本当に奇妙だった」「いろんな意味で」と話した。

 無観客のレッドブル・リンク(Red Bull Ring)で行われたレースでは、9周目にペトロナス・ヤマハSRT(Petronas Yamaha SRT)のフランコ・モルビデリ(Franco Morbidelli、イタリア)とエスポンソラーマ・レーシング(Esponsorama Racing)のヨハン・ザルコ(Johann Zarco、フランス)が、高速でクラッシュして転倒。

 トラックを横切ったモルビデリのマシンは、モンスターエナジー・ヤマハ(Monster Energy Yamaha)のバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi、イタリア)を危うく直撃するところだった。最終的に5位に入ったロッシは、間一髪の出来事に明らかに動揺している様子だった。

 無人となったバイクはバリアーに当たって粉々となり、破片は宙に舞い、レースは赤旗中断に。モルビデリは担架で運び出されたが、その後自力で歩いて救急車に乗った。ザルコにけがはなかったと思われる。

 再開後も、今度はレッドブルKTMファクトリー・レーシング(Red Bull KTM Factory Racing)のポル・エスパルガロ(Pol Espargaro、スペイン)とレッドブルKTMテック3(Red Bull KTM Tech 3)のミゲル・オリベイラ(Miguel Oliveira、ポルトガル)が派手にクラッシュ。さらにスズキのアレックス・リンス(Alex Rins、スペイン)も、首位を走っていたドビツィオーゾを追いかける中で転倒した。 

 この日のレースを終え、ランキング首位はペトロナス・ヤマハSRTのファビオ・クアルタラロ(Fabio Quartararo、フランス)がキープ。今季最初の2戦を制しているフランス人ライダーは、レースを8位でフィニッシュした。

 この日最大の敗者はモンスターエナジー・ヤマハのマーベリック・ビニャーレス(Maverick Vinales、スペイン)だった。ビニャーレスはポールポジションからスタートしたが結局10位に終わり、ランキング2位の座をドビツィオーゾに明け渡した。

 前週のチェコGPでMotoGP初勝利を飾ったレッドブルKTMファクトリー・レーシングのブラッド・ビンダー(Brad Binder、南アフリカ)は4位だった。(c)AFP