【8月17日 AFP】ニュージーランドで新たに新型コロナウイルスの感染拡大が確認されたことを受け、ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は17日、9月19日に行われる予定だった総選挙を4週間延期し、10月17日に行うと発表した。

 同国では先週、102日ぶりに新型コロナウイルスの市中感染が確認され、最大都市オークランド(Auckland)ではロックダウン(都市封鎖)を延長する措置が取られた。

 今回の市中感染は感染源が明らかになっておらず、感染拡大により全ての政党が選挙運動を中止したため、アーダーン氏は総選挙の日程変更を迫られていた。

 同氏は、投票日を10月17日に変更したことにより、全政党が同じ条件で選挙活動を行えるとしたうえで、どんな状況になってもこの日程は変更しないと明言。日程については、先週末に各党の代表や選挙管理委員会と話し合ったと明らかにした。

 アーダーン氏は、11日にオークランドの同一世帯の4人に感染が確認されたことを受けて、国民に市中感染への懸念が広がっているとの認識を示した。オークランドのクラスター(感染者集団)で感染が確認された人は16日までに49人に増えた。

 アーダーン氏はパンデミック(世界的な大流行)への対応だけでなく、昨年3月にクライストチャーチ(Christchurch)のモスクで発生した銃乱射事件や、昨年12月のホワイト島(White Island、マオリ名:ファカアリ、Whakaari)の火山噴火などへの対応が高く評価されており、世論調査の支持率は自身最高の約60%を維持している。

 次の総選挙でアーダーン氏の労働党は、ニュージーランド・ファースト党(NZF)と連立し、緑の党の閣外協力を得た1期目とは異なり、単独で政権を獲得できる見込みがある。(c)AFP