【8月16日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は15日、政府による市民への監視活動を暴露したエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者について、恩赦を検討する意向を示した。

 2013年の暴露以降ロシアで亡命生活を送っているスノーデン容疑者は、米国への帰国を希望しているが、公正な裁判を受けることを条件としている。

 トランプ氏はニュージャージー州ベッドミンスター(Bedminster)に所有するゴルフリゾートで記者会見を開き、スノーデン容疑者の恩赦を検討しているか問われると、同容疑者の状況は「分からない」と回答。その上で、「多くの人がスノーデン容疑者は別の扱いを受けるべきだと考えているが、彼は非常に悪いことをしたと思っている人々もいる」と述べ、「このことについて非常に真剣に検討するつもりだ」と明かした。

 トランプ氏のこの発言は、2016年の米大統領選期間中とは異なる。当時はスノーデン容疑者について「完全な裏切り者であり、厳しく対処していく」と述べていた。

 米国家安全保障局(NSA)の職員らが市民に対し広範な監視活動を行っていたと暴露した後、スノーデン容疑者は告発者やプライバシーの擁護者として支持者から称賛された。一方で、米国では国の安全を危険にさらしたとして訴追されており、スパイ罪で有罪になれば数十年の禁錮刑に処される可能性がある。

 バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領によるスノーデン容疑者の恩赦は、最終的には実現しなかった。(c)AFP