【8月14日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で通算4度の総合優勝を誇るセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)は13日、今季終了を待たずしてフェラーリ(Ferrari)を早期離脱することになりそうだという臆測を払いのけたが、同チームではより幸せな時間があったと認めた。

 今季限りでのフェラーリ離脱が決定しており、来季はレーシングポイント(Racing Point)への移籍がうわさされているベッテルだが、シルバーストーン(Silverstone Race Circuit)で行われた第4戦英国GP(British Grand Prix 2020)と第5戦70周年記念GP(70th Anniversary Grand Prix)では精彩を欠くパフォーマンスに終わったため、その今後については疑問符がついている。

 今週末の第6戦スペインGP(Spanish Grand Prix 2020)を前に行われたオンラインの記者会見で、ベッテルは「居心地の良い場所だった」と認めた。

「前で戦うことが好き。勝つことも、素晴らしい結果を残せると感じることも好きだ。このパッケージでは今年は難しいだろう」

 ベッテルはまた、予想よりも早くフェラーリに見切りをつけられるかもしれないという考えを否定した。

「分からないが、そうは思わない」「われわれは検討さえしていないし、話をしてもいない。だから、自分の中だけの問題ではないと思う」

「自覚していることや、自分にできることは分かっている。現時点では最高の走りは見せられていないが、物事が落ち着いてきて、しっかりとしたチャンスが訪れれば、それを生かすつもり」

 ベッテルはさらに、チーム内でうわさされているシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)との対等な関係性についての一切の議論を拒否した。

「そういった内容に関わるつもりは一切ない」「自分の仕事をしようとしているだけ」

「もちろん今は、航海が順調で海も穏やかという状態ではない」「むしろ荒波の中にいるが、それはそれ。自分にできる最善を尽くす必要がある」

 ベッテルのコメントに先駆けフェラーリは同日、思わしくないシーズンスタートを余儀なくされているものの、立て直しを図ろうとしている同選手をサポートするのが「義務」だと述べていた。

 フェラーリは今週末のスペインGPで、ベッテルのマシンに新たなシャシーを投入するという。(c)AFP