【8月12日 Xinhua News】中国、米国、フランス3カ国の共同研究により、1億年前の古代アリの生活が明らかになった。研究によると「地獄アリ」と呼ばれる古代アリは、これまで明らかになっている最古のアリ類の可能性があり、現在のように群れをつくって生息するのではなく、各自が独立して生息し、自身の餌を捕獲していたという。

 地獄アリは1億年前の白亜紀中期に生息した古代アリで、2016年に初めて発見された。頭部に巨大な鎌のような大きな牙を生やし、上唇の付け根が上に向かって伸びて、頭上で独特の「角」を形成する風変わりな風貌から「一角アリ」とも呼ばれており、ここ数年で10種類近くが見つかっている。

 研究チームは今回、地獄アリの外観、習性、進化などについてさらに深く研究。種類によって、餌となる獲物に合わせて牙や角の形が異なっていることを確認した。

 研究者はまた、現在生息しているアリと絶滅したアリを100種類以上選んでデータベースを構築し、地獄アリと比較した。その結果、地獄アリは他のアリとは明らかに異なり、これまで明らかになっている最古のアリ類である可能性があることがわかった。生態においても地獄アリの間には明確な役割分担はなく、それぞれが餌をとっていた。

 研究を主導した中国科学院南京地質古生物研究所の王博(Wang Bo)研究員は「地獄アリは1億年前に繁殖していたが、その後2千~3千万年の間に徐々に減少し、他の古代アリとともに、進化が進んでいた現代アリの群れに取って代わられた」と説明した。

 研究結果はこのほど学術誌「Current Biology」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News