【8月11日 AFP】ベラルーシで9日行われた大統領選の結果の正当性が問われる中、アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領の主要対立候補となったスベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏は10日、ルカシェンコ氏に権力の移譲を求めた。警察は選挙結果に対する抗議デモを残虐に排除しているが、チハノフスカヤ氏はデモに参加しないことを表明している。

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 チハノフスカヤ氏は予想外の大統領選出馬で、長期政権を築いてきたルカシェンコ大統領の最大の敵となった。チハノフスカヤ氏は9日の選挙が不正操作され、当局者らが権力にしがみつくために力に訴えたと糾弾した。

 抗議デモが行われた首都ミンスクなど複数の都市では、警察がスタングレネード(閃光〈せんこう〉と爆音を放つ手りゅう弾)や放水銃、ゴム弾を使ってデモ隊を排除したが、この後行われた会見で、チハノフスカヤ氏は「有権者はそれぞれの選択をしたが、当局は私たちの言うことを聞かなかった」と言明。「当局は権力を平和的に私たちに移譲する方法を考えるべきだ」とし、「私はこの選挙に勝ったと考えている」と主張した。

 ソーシャルメディアの反体制派アカウントでは10日夜、労働ストライキの呼び掛けがあり、デモ参加者数百人がミンスクの路上に繰り出した。

 一方、チハノフスカヤ氏の広報担当者は、同氏がデモに参加しないと言明。AFPの取材に「当局は彼女を拘束するためのあらゆる挑発的状況をつくることができる。彼女には自由でいてもらう必要がある」と述べた。(c)AFP/Tatiana Kalinovskaya