【8月10日 AFP】ギリシャのエビア(Evia)島が8日夜から9日早朝にかけて豪雨に見舞われ、洪水により乳児を含む7人が死亡、住宅数十棟が損壊し、道路が寸断された。当局が9日、発表した。

 救助活動にあたる消防隊の発表によると、ポリティカ(Politika)村の住宅で9日、生後8か月の乳児が遺体で発見されたという。乳児の両親は無事だった。

 また、1人が行方不明となっている。

 アテネ通信社(ANA)によると、首都アテネの北東約100キロに位置するエビア西部では複数の道路が冠水しており、一部の観光客がキャンプ場に足止めされている。

 豪雨「タレイア(Thalia)」は8日にギリシャ本土の複数の地域を襲ったが、翌日には天気は回復した。

 ポリティカと周辺の複数の村では、住宅数百棟が洪水被害に見舞われた。道路が寸断されているため、消防隊のトラックが被災地域に到着できずにいる。

 現地当局の発表によると、2河川で堤防が決壊し、道路に土砂が流れ込んだという。多くの住宅で1階が浸水した。

 身動きが取れない人々を救助するため、消防士約100人、ヘリコプター2機、沿岸警備隊が動員された。

 市民保護省のニコス・ハルダリアス(Nikos Hardalias)副大臣は9日朝、ポリティカを視察し、6時間降水量は350ミリを超えていたと発表した。

 同氏は気候変動への懸念を表し、「すべてが突然の出来事だった。大惨事だ」と述べた。(c)AFP