【8月7日 AFP】米上院は6日、動画共有アプリ「ティックトック(TikTok)」について、政府職員の携帯電話へのダウンロードを禁止とする法案を可決した。人気のある中国企業傘下の同アプリに対し、米国は監視を強めている。

 同法案は共和党が過半数を占める上院を通過し、この後、民主党が多数の下院で採決が行われる。同法案を起草した共和党のジョシュ・ホーリー(Josh Hawley)上院議員は、「ティックトックは安全保障上の大きな脅威であり、政府関係者の端末に存在する場所はない」と明言した。

 貿易から新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)まで、さまざまな問題で中国との対立姿勢を強めてきたドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、ティックトックの米企業による買収が9月半ばまでに成立しなければ、同アプリの使用を米国で禁止とするとしている。「バイトダンス(ByteDance、字節跳動)」が所有するティックトックの米事業をめぐっては、米マイクロソフト(Microsoft)が現在、買収交渉を行っている。

 6日に上院を通過した法案によれば、政府職員、議員、あるいは政府関連法人の人々がティックトック、あるいはバイトダンスによって開発されたすべての後継アプリをダウンロードまたは使用することが禁止される。対象外となるのは「調査やサイバーセキュリティー研究活動、強制措置、懲戒処分、あるいは情報活動」のみという。(c)AFP