【8月5日 AFP】カナダ出身の歌手ニール・ヤング(Neil Young)さん(74)が、11月の米大統領選で再選を目指すドナルド・トランプ(Donald Trump)陣営を相手取り、選挙集会での自身の楽曲使用をやめるよう求めて訴訟を起こしている。ヤングさんのウェブサイトに掲載された訴状で明らかになった。

 米オクラホマ州タルサ(Tulsa)で最近行われた集会など、トランプ氏の複数の選挙キャンペーンでヤングさんの楽曲「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド(Rockin' In The Free World)」と「デビルズ・サイドウォーク(Devil's Sidewalk)」が使用されたことに関し、ヤングさんは著作権の侵害に当たると訴えている。

 ウェブサイトに掲載された訴状は、「対立的で非米国的な無知と憎悪の選挙キャンペーンにおいて自身の楽曲が『テーマソング』として使用されるのを、原告は道義上許すわけにはいかない」と主張し、各著作権侵害行為に最高15万ドル(約1600万円)の損害賠償を請求するとしている。

 訴状に日付は記されていないが、ヤングさんの代理人はニューヨークの連邦裁判所に訴状を提出する予定であることがその内容から分かる。

 ヤングさんはこれまでにも、トランプ氏が集会で自身のヒット曲を流していることを繰り返し批判し、使用をやめるよう訴えてきた。

 ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)さん、リアーナ(Rihanna)さん、エアロスミス(Aerosmith)、アデル(Adele)さんといったアーティストや、歌手プリンス(Prince)さんの遺産管理団体も、トランプ氏の楽曲使用に抗議している。

 英ロックバンド「ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)」は6月、トランプ氏が集会で同バンドの名曲「無情の世界(You Can't Always Get What You Want)」の使用を続けるのならば、法的措置も辞さないと表明した。(c)AFP