【8月9日 AFP】遠くの旗ざおをしっかりと見ながら、ジャミアトゥルアクマル・アブドルジャバル(Jamiatul Akmal Abdul Jabar)さん(38)は、声援を送る友人らを横目に助走をつけてフェアウエーにサッカーボールを蹴り出した。

 マレーシア・クアラルンプール郊外のコースで、ジャミアトゥルアクマルさんと友人らが楽しんでいるのはゴルフとサッカーという世界的に人気の高いスポーツ2種を組み合わせた新しい競技「フットゴルフ」だ。このスポーツの人気は世界的に高まっており、各地のコースに人々を集めている。

 フットゴルフのルールはゴルフを基本にしている。ただ、ボールを飛ばすのにクラブは必要ない。プレーヤーは脚でティーオフし、できるだけ少ない「蹴数」で各ホールを回る。

 ジャミアトゥルアクマルさんは友人らは、クアラルンプール郊外に設けられたフットゴルフ用のコースでこのスポーツを楽しんでいる。もともとあったゴルフコースを改造した専用の施設で、各ホールのカップは直径53センチとなっている。

 38歳の女性フットゴルファーとなったジャミアトゥルアクマルさんはこれまで、ゴルフを「退屈なゲーム」と考えていたが、今ではフットゴルフに夢中になっているという。

 フットゴルフのコースは現在、世界36か国に設置され、競技人口もどんどん増えている。また2012年からは、国際競技連盟によって競技そのものの管理が行われている。

 これまでにフットゴルフW杯も数回開催されている。今年は日本での初開催が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響を受け、来年に延期された。

 フットゴルフの起源ははっきりしていない。ただ、2008年にオランダで開催された大会についての記録は残っている。

 マレーシアでは、クアラルンプール郊外のブキット・ジェルトン(Bukit Jelutong)のコースで2018年からフットゴルフがプレーされるようになった。このゴルフコースは当時、既に使われなくなっていたが、マレーシアの競技協会であるフットゴルフ・マレーシア(Footgolf Malaysia)によって専用の施設として整備された。

 フットゴルフ・マレーシアによると、同国では毎月約2000人がフットゴルフをプレーしているという。(c)AFP/Patrick Lee