【8月4日 AFP】アルゼンチン出身の元男子プロテニス選手、マリアノ・プエルタ(Mariano Puerta)氏は3日、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)と対戦した2005年の全仏オープンテニス(French Open)決勝後に発覚したドーピング違反の処分期間を短くするために、虚偽の説明をしていたと告白した。

 現在41歳になるプエルタ氏はアルゼンチンの日刊紙ナシオン(La Nacion)に対し、「戦略として使った説明はうそだった。だが、競技上のアドバンテージは何も得ていなかった。これ以上、うそつきとして見られたくない」と明かした。

 2005年の全仏オープン決勝では、第1セットをタイブレークで落としたナダルが逆転の末大会初制覇を達成。その後ナダルはローラン・ギャロス(Roland Garros)で史上最多となる通算12回の優勝を記録している。

 プエルタ氏は、ナダルとの試合後に受けた検査で興奮剤のエチレフリン(etilefrine)に陽性反応を示した。すでに2003年にも別の興奮剤であるクレンブテロール(clenbuterol)の使用が発覚して9か月の処分を受けていたことから、当初は8年間の出場停止処分を言い渡されていた。

 しかし、同氏は当時スポーツ仲裁裁判所(CAS)に対して、妻が生理痛で薬を服用するために使ったコップの水を飲んだ際に誤ってエチレフリンを摂取してしまったと主張し、処分は2年間に短縮された。

 当時を振り返り、自身の個人トレーナーの友人から手に入れた「カフェインや朝鮮ニンジン」入りの栄養剤を摂取していたことや、それがエチレフリンに汚染されていたことを告白したプエルタ氏は、「錠剤は市販のもので、自分たちには何もできなかった。どのようにして、違法に混入されたのか分からない」と述べた。

「弁護士も、事実を話すのは良い考えではないという見解だった」

 しかしながら、問題の個人トレーナーはナシオンの取材に対して、「自分はこれには何も関与していない。彼には何も与えていなかった。話はうそだ」と回答した。

 一方、プエルタ氏の元コーチであるアンドレス・シュネイテル(Andres Schneiter)氏も、今回の新証言について疑問を投げかけており、「何が起きたのか聞いたとき、彼は知らなかったと答えていた。うそをついていると思ったよ。受け答えが誠実でないと感じたんだ。彼は知らずに何かを摂取し、それは不注意だったのだと思う」と述べた。

 当時世界ランク9位だったプエルタ氏だが、2007年の復帰後は同等の順位までランキングを上げることができず、その2年後に現役を退いた。(c)AFP