■打撃が大きい航空業界

 航空機製造会社のうち、欧州航空機大手エアバス(Airbus)は今年の上半期に手元資金120億ユーロ(約1兆5000億円)超を使い、純損失19億ユーロ(約2400億円)を計上。40%の生産削減を計画している。

 競合する米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)は7月29日、24億ドル(約2500億円)の赤字を発表。すでに発表している10%の人員削減計画に加え、生産削減の方針を明らかにしている。

 また自動車産業も、外出禁止令により自動車販売店を訪れる購入者がいなくなり、苦難の時を迎えている。

 仏自動車大手ルノー(Renault)は上半期決算で73億ユーロ(約9100億円)の赤字を報告。同社はすでに世界中で1万5000人の人員削減を発表している。独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)も、上期で14億ユーロ(約1700億円)の税引き前損失を報告した。復活はみんなが望んでいるが、その見通しは不確かだ。

 良く見積もれば、急激な下降後に急速に回復するV字回復となるが、新型ウイルスの感染者が増え続け、各国政府が規制強化を余儀なくされる中、前途ははるかに多難とみられる。