冒涜罪に問われた米国籍被告、公判中に射殺 米がパキスタンに対応要請
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【7月31日 AFP】パキスタンの裁判所でイスラム教の冒涜(ぼうとく)罪に問われた米国籍の被告男性が射殺され、米国務省は30日、パキスタン側に法律や司法制度を改めるよう求めた。男性の身の安全が脅かされていると、パキスタン政府に警告していたと同省は主張している。
ペシャワル(Peshawar)の裁判所内で殺害されたのは、タヒル・アフマド・ナシム(Tahir Ahmad Nasim)被告。宗教的少数派アフマディー(Ahmadiyya)教団の信徒で、米国務省によると米国籍を持ち、出身地のイリノイ州からパキスタンに渡った。
国務省はナシム被告が殺害されたことに「衝撃を受け、悲嘆し、怒りを覚える」と表明した。
ナシム被告は2018年に冒涜の容疑で逮捕された。保守的なイスラム教国家のパキスタンでは、神を冒涜したとみなされた人が自警団などによる暴力の対象となることが少なくない。
当局によるとナシム被告は29日、警察に付き添われて公判に出廷した際、男に銃撃され、その場で死亡した。
米国務省のケイル・ブラウン(Cale Brown)報道官は、「パキスタン政府に対し、こうした暴力を許している、頻繁に乱用される法律と司法制度を直ちに改め、法を最大限に適用して容疑者を起訴するよう求める」と述べた。
アフマディー教徒はパキスタンで長年迫害されており、イスラム教徒と認められていない。(c)AFP