【8月1日 CNS】中国・海南省(Hainan)五指山市(Wuzhishan)で発見された水生生物が、絶滅の危機にひんしているマミズクラゲであることが確認された。

 マミズクラゲは淡水に生息する半球形のクラゲで、半透明で乳白色を帯びている。主に大きな河川から分離された小川や小さな池に生息する。数億年前に誕生し、今ではその貴重さはパンダに匹敵し、「水中の生きた化石」と称されている。

 7月上旬、五指山市什会村(Shihui)のある井戸で、住民の柯さんが手を洗うために水をくみ上げた時に、親指大の水生生物を数十匹発見した。海南省海洋・漁業科学研究院の淡水漁業研究所の研究者たちが駆けつけてサンプルを採取。DNA検査の結果、マミズクラゲとの類似性は99.25%であることがわかった。

 桃の花が咲く春に繁殖期を迎えることから、中国では「桃花クラゲ」と呼ばれるマミズクラゲ。明るい場所でガラス瓶に入れると、綿状の体と楕円(だえん)形の4本の手足がはっきりと見える。泳ぐ姿は桃の花が舞っているようだ。

 五指山市農業農村局職員の王悦(Wang Yue)さんは「この前も市内でクラゲらしい生物を発見したと報告を受けたが、実物を確認できなかった。五指山のエリアの水質や水環境が良好だから発見できた」と話している。

 近年、全国的な水環境の改善に伴い、マミズクラゲは重慶市(Chongqing)璧山区(Bishan)、四川省(Sichuan)眉山市(Meishan)、雲南省(Yunnan)曲靖市(Qujing)などで発見が相次いでいる。中国はマミズクラゲが最も広く分布している国で、これまでに19の省、市、地区でマミズクラゲが見つかっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News