【8月3日 AFP】南米ペルーを縦断するアンデス山脈(Andes)の急勾配の丘を、10代の4人の子どもたちが母親に付き添われて毎日登っている。新型コロナウイルスの影響によりオンラインで行われる授業を受けるため、携帯電話の電波を受信できる場所まで行かなければならないからだ。

 ティティカカ湖(Lake Titicaca)のほとりにある主要都市プノ(Puno)から1時間半の場所に位置するマニャソ(Manazo)地区。さらにその外れにあるコナビリ(Conaviri)では、山の頂上まで行かなければ携帯電話の電波を受信できない。

 この地域には、羊飼いのフアン・カブレラ(Juan Cabrera)さん一家のように、ペルーで多数を占める先住民族ケチュア(Quechua)が多く暮らしている。

 同ウイルスの流行により教育機関が閉鎖されているペルーの教育省は、自宅学習プログラムを提供。カブレラ家の子どもたちのロクサーナさん(16)、アルベルトさん(15)、フアン・カルロスさん(13)、アルバロ君(10)の4人はその学習機会を逃すまいと、母親のレイムンダ・チャルカ(Raymunda Charca)さん(43)と一緒に、日々丘によじ登っている。

 子どもたちは毎朝、先生が携帯電話またはメッセージアプリ「ワッツアップ(WhatsApp)」による通話で行う授業に耳を傾けるという。

 3300万人が住むペルーでは、新型コロナウイルスによる死者は1万9000人超、感染者は40万人以上に上っており、中南米諸国ではブラジルに次いで大きな被害を受けている。(c)AFP