【7月21日 AFP】米俳優ジョニー・デップ(Johnny Depp)さん(57)が、英大衆紙サン(Sun)などを相手取って名誉毀損(きそん)で訴えている裁判で、元妻で米女優のアンバー・ハード(Amber Heard)さん(34)が20日、ロンドンの高等法院に出廷し、デップさんから殺すと繰り返し脅迫を受けたと証言した。

 3週目を迎えたこの裁判でハードさんは、デップさんから、どなる、暴言を吐く、脅す、殴る蹴る、頭突きをする、首を絞めるといった言葉の暴力および身体的虐待を受けていたと主張。

「時には非常に深刻な事態に陥り、故意に、または抑えがきかなくなって度を越してしまい、殺されると思った」「特に関係が終盤になると、はっきりと何度も殺すと脅された」と証言した。

 ハードさんは、デップさんが時に「モンスター」と呼ぶ「自分でつくり出した第三者」に自らの行為を責任転嫁することもあったと指摘。

 その上で、被害者は自分の方だと考え、自分の行動を許してくれる、またはとがめない人々のみを自身のそばに置き、自分の行動に責任を取ったことは一度もないと批判した。

 この裁判でデップさんは、自身を「ワイフビーター(妻虐待者)」と表現したサン紙の2018年の記事をめぐり、同紙と出版元のニューズ・グループ・ニューズペーパーズ(NGN)、さらに記事執筆者を提訴。

 デップさんは、NGN側が記事の内容の証拠として挙げた暴力行為14件を否定しており、この記事によって深刻な名誉毀損の被害を受けたと主張している。

 デップさんのかつてのパートナーである、仏女優のヴァネッサ・パラディ(Vanessa Paradis)さんと米女優のウィノナ・ライダー(Winona Ryder)さんはいずれも、デップさんは温和で暴力的ではなかったと話している。(c)AFP