【7月18日 AFP】米インディアナ州で17日、少女2人を含む5人を殺害したとして有罪判決を受けた麻薬密売人のダスティン・リー・ホンケン(Dustin Lee Honken)死刑囚(52)の刑が執行された。米連邦政府によって今週死刑が執行されたのは3人目となる。

 米司法省によると、アイオワ州ブリット(Britt)出身のホンケン死刑囚は、インディアナ州テレホート(Terre Haute)の連邦刑務所で薬物注射による死刑が執行され、午後4時36分(日本時間18日午前5時36分)に死亡を宣告された。

 ホンケン死刑囚は1993年に、政府の情報提供者となって同死刑囚のメタンフェタミンの密売について証言することになっていた麻薬密売人2人を殺害し、2004年にアイオワ州で有罪判決を受けた。また、殺害した2人のうちの1人が付き合っていた女性と、10歳と6歳だった女性の娘2人を殺害したことでも有罪となった。

 ホンケン死刑囚は最期の言葉として、英国の詩人ジェラルド・マンリー・ホプキンス(Gerard Manley Hopkins)の「ヘブン・ヘブン(天国)」という詩を朗読した。

 司法省が先月、連邦政府による死刑執行の再開を発表して以降、テレホートの連邦刑務所で刑が執行されたのはホンケン死刑囚が3人目となる。

 8月28日には、4人目となるキース・ドウェイン・ネルソン(Keith Dwayne Nelson)死刑囚の刑の執行が予定されている。ネルソン死刑囚は、10歳の少女をレイプ、殺害したとして有罪となった。

 連邦政府による死刑は1988年に復活したが、以降、今週に入るまで3件しか執行されておらず、最後の執行は2003年だった。

 11月の大統領選で再選を目指しながら苦戦しているドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、特に麻薬密売人や警官を殺害した犯罪者に対する死刑執行を進めるよう要請している。

 ほとんどの犯罪は州法によって裁かれるが、連邦裁判所はテロ攻撃、憎悪犯罪、恐喝事件など一部の重大犯罪を扱っている。

 米国の州で今なお積極的に死刑を執行しているのは、南部の保守的な州を中心にごく少数だ。2019年には22人の死刑が執行されている。(c)AFP