【7月17日 AFP】米インディアナ州で16日、殺人罪で死刑が確定していたウェズリー・アイラ・パーキー(Wesley Ira Purkey)死刑囚(68)の刑が執行された。パーキー死刑囚の弁護人は、同死刑囚は認知症を患い、自分が処刑される理由も理解していないと主張していた。

 米司法省によると、カンザス州出身のパーキー死刑囚は、インディアナ州テレホート(Terre Haute)の連邦刑務所で薬物注射による死刑が執行され、午前8時19分(日本時間同日午後9時19分)に死亡が宣告された。

 パーキー死刑囚は、1998年にジェニファー・ロング(Jennifer Long)さん(16)をレイプ、殺害し、遺体を切断したとして、2003年に有罪判決を受けた。また、80歳の女性をハンマーで殴り殺した罪でも有罪となった。

 地元紙インディアナポリス・スター(Indianapolis Star)は、パーキー死刑囚が最後に「ジェニファーさんの家族に与えた苦痛を深く反省している」と述べたと報じた。「このむごたらしい部分を取り去った殺人(訳注 死刑のこと)は何の役にも立たない」とも話したという。

 17年間停止していた米連邦政府による死刑執行を再開するようドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が命じたことを受けて、死刑が執行されたのはパーキー死刑囚で2人目。

 14日には、1996年に一家3人を殺害して有罪判決を受けた元白人至上主義者、ダニエル・ルイス・リー(Daniel Lewis Lee)死刑囚(47)が、薬物注射による死刑を執行されていた。

 パーキー死刑囚の弁護人の一人、レベッカ・ウッドマン(Rebecca Woodman)氏は、同死刑囚は「進行したアルツハイマー病と認知症を患っており、重度の脳損傷と精神障害がある」と主張し、死刑執行の停止を求めていた。

 米連邦地裁は、パーキー死刑囚が精神的な責任能力を判断するための審問を受けることができるよう執行停止を命じ、米控訴裁もこれを支持する判断を下していた。しかし、最高裁はこれらの判断を覆し、パーキー死刑囚の死刑執行が確定していた。(c)AFP/Chris Lefkow