■生まれた時から偏見に直面

 この結果、多くの人が白い肌を富や美しさと結びつけるようになっている。インド映画界「ボリウッド(Bollywood)」は、肌の浅黒い女優をめったに主役に配置せず、都市部に住む社会的に成功した人をしばしば色白として描くことで、このような偏見を支えている。

 カビタ・エマニュエル(Kavitha Emmanuel)さんは2009年、学校を回り浅黒い肌への偏見改善を訴える「浅黒い肌は美しい(Dark is Beautiful)」運動を始めた。エマニュエルさんは、偏見は生まれた時から始まると語る。「女の子なのに色が黒いなんて。やれやれ、誰がこの子と結婚するんだ」と言われるのだという。

 東南アジアでも、人々は白い肌に執着する。

「白い肌は…『魅力的な人物』であることの一つの条件であることがえん曲的に言われている」と、フィリピン大学(University of the Philippines)の医療人類学者ギデオン・ラスコ(Gideon Lasco)氏はAFPに語った。

 美白製品は心理的なダメージだけではなく、健康に深刻な危険をもたらす。

 一部の製品は有害なレベルの水銀を含んでおり、腎臓の損傷、皮膚病、精神障害の原因となり得ると、世界保健機関(WHO)は警告している。

 活動家らはこれまでに根付いた偏見を変えるには、特に美白市場はもうかることから時間を要すると指摘する。

 美白業界は世界の美容業界で急成長した分野の一つで、WHOは2024年までに市場規模は312億ドル(約3兆3000億円)になると予測している。人口13億人のインドでは、美白製品がスキンケア市場の約半分を占めている。(c)Glenda Kwek, with Ammu Kannampilly in Mumbai and Archana Thiyagarajan in Delhi