【7月16日 AFP】米国でヒスパニック系住民に人気のビーンズ缶詰をめぐり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領と娘のイヴァンカ(Ivanka Trump)大統領補佐官を巻き込んだ政治論争が広がっている。生産元の米食品会社ゴヤ・フーズ(Goya Foods)の経営者がトランプ氏をほめちぎる発言をしたことで、不買運動が起きたのが発端だ。

 ヒスパニック系のボブ・ユナヌエ(Robert Unanue)最高経営責任者(CEO)は、先週出席したホワイトハウス(White House)でのイベントで、「トランプ大統領のような指導者がいて(中略)われわれは本当に恵まれている」と述べた。

 ヒスパニック系米国人の多くは、移民政策や発言からトランプ氏を人種差別主義者と非難している。このため、ゴヤ・フーズの全商品を対象に不買を呼び掛ける声がソーシャルメディア上で広がった。

 だが、ユナヌエ氏は自身の発言を堅持。さらにトランプ氏が15日、「(ゴヤ・フーズは)絶好調だ。極左勢力の中傷工作は、裏目に出た。人々は(ゴヤ・フーズの商品を)爆買いしている!」と反撃した。

 イヴァンカ氏も、ゴヤ・フーズのビーンズ缶詰を手にした写真をツイッター(Twitter)に投稿し、「ゴヤならおいしいに決まっている」と英語とスペイン語で書き込んだ。これは、ゴヤ・フーズの広告に使用されているキャッチフレーズだ。

 イヴァンカ氏の投稿には、連邦政府職員が特定の商品やサービス、企業を宣伝することを禁じた倫理規定違反に相当するとの批判が起きている。

 11月の大統領選で民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領を相手に再選を目指す共和党のトランプ氏は最近、政敵に「極左」のレッテルを貼ることが増えている。(c)AFP