【7月15日 AFP】バングラデシュにある世界最長級の砂浜に、ウミガメ約160匹が打ち上げられ、保護された。当局と保護活動家らが15日、明らかにした。多くはプラスチックごみに絡まり、けがをしていたという。

 コックスバザール(Cox's Bazar)の全長120キロに及ぶ砂浜に、ヒメウミガメが漂着し始めたのは先週末。同時に、大量のプラスチック製ボトルや漁網、ブイやその他のごみも押し寄せた。

 このヒメウミガメのうち約30匹は死に、砂に埋められた。生きていたカメはベンガル湾(Bay of Bengal)に返されたが、一部は同じ浜辺に戻ってきた。海中にとどまれないほど衰弱していたとみられている。

 地元の環境当局者は「この砂浜で、ここまでの規模のカメの大量死や、けがをしたカメの漂着を目にしたのは初めて。前代未聞だ」と話した。

 カメの多くは、沿岸の10キロの範囲に漂っている推定50トンのごみに絡まり、けがをしていた。

 地元の環境保護団体のメンバーは、「一部のカメはひれや頭がないものもいた」と話している。生きて保護された体重40キロのカメは、プラスチック製の網に絡まっていて、ひれが全てなかったという。

 バングラデシュ政府は漂着の原因を調査しており、その一環で2匹の死骸を国立大学に送った。

 自然保護団体に所属するカメの専門家は、カメが漂流プラごみの巨大な塊から抜け出せなくなったことが原因とみており、「長期的に見て、われわれがベンガル湾の汚染を解消しなければ、多くの海洋生物が同様の運命をたどるだろう」と述べた。

 自然保護活動家らによると、ヒメウミガメの個体数は世界のウミガメの中では最多ながら減少傾向にあり、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅の恐れのある野生生物の一覧「レッドリスト」では、「危急」種に分類されている。(c)AFP