【6月11日 AFP】オーストラリア最北端沖に位置する世界最大のアオウミガメ営巣地レイン島(Raine Island)で、産卵のために集まったウミガメの数が従来考えられていたより50%以上も多かったことが、初めて行われたドローン撮影による計数で明らかになった。同国の専門家らが先週、明らかにした。

 レイン島は毎年、豪東部沖グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)から数百キロもの距離を移動したアオウミガメの雌約6万匹の産卵地となっている。

 絶滅の危機にあるアオウミガメの保護活動に当たる科学者らは、産卵するウミガメの数を調べるため苦労してきた。しかし先週、査読のある米科学誌「プロスワン(PLOS ONE)」に掲載された論文で、新たにドローンを使用した個体数調査の結果、これまではウミガメの数を実際より50%以上も少なく見積もっていたことが分かったと明らかにした。

 研究者らはこれまで、海辺に卵を産むウミガメの数を数え、海中で追跡しやすいよう無毒な可溶性ペンキを塗って数を記録。海辺では、一晩で約2万3000匹が確認されていた。

 論文の主著者であるアンドリュー・ダンスタン(Andrew Dunstan)氏は、悪天候の中、小さなボートに乗ってペンキの塗られた数千匹ものウミガメや、塗られていないウミガメを正確に数えるのは困難だったと指摘。ドローンを使用することで、簡単かつ安全、そしてより正確に数えることができ、データも即座に保存できると述べた。(c)AFP