■逮捕はオンブズマン活動に対する報復?

 ロシアの主要都市出身の警察の捜査官は、同僚とともにボロンツォフ氏への支持を表明する自分たちの写真を投稿したことで、内部調査の標的となったと語った。

 匿名を条件にAFPの取材に応じた同捜査官は、ボロンツォフ氏は警察官に自らの権利の保護について立ち上がるよう働きかけたため、当局にとって憎悪の対象だったと語った。

 ボロンツォフ氏の支持者らは、同氏の逮捕はボロンツォフ氏の行いに対する報復だと信じていると述べた。

 ボロンツォフ氏の支持者や評論家は、警察官はしばしば制服や事務用品を自腹で購入しなければならず、無給の残業や不当解雇の受け入れを強いられていると指摘。多くの警察官にとって状況は非常に厳しく、ロシアでは毎年、数十人の警察官が自殺しているという。

 AFPはロシア内務省に対し、ボロンツォフ氏の活動と勾留についてコメントを求めたが、返答はなかった。

 しかし、モスクワ警察労働組合のトップを務め、一部では内務省に近いとみられているミハイル・パシュキン(Mikhail Pashkin)氏は、ボロンツォフ氏が警察官らを助け、政治に干渉することで「巨額の金」をつくろうとしているとして非難した。