【7月14日 AFP】(写真追加)中国・長江(Yangtze River)流域で、過去60年近くで最大の雨量が観測され、江西(Jiangxi)省にある同国最大の淡水湖付近の都市では、兵士らが土のうを積んで堤防を築いている。

 先月以降、広大な長江流域は豪雨に見舞われている。死者・行方不明者は141人に上り、複数の省で数百万人が避難を余儀なくされている。

 世界で3番目に長い河川の長江が夏季に氾濫するのは、古来、毎年のことだが、今年の洪水は格段に被害が大きくなっている。

 応急管理省の鄭国光(Zheng Guoguang)氏は13日、首都北京で記者会見を開き、先週から激しさを増している雨により、長江流域の数十の河川で観測史上最高水位が記録され、水位が警戒レベルを超えた河川数は400以上に上っていると話した。

 鄭氏によると、「先月以降の長江流域の平均降水量は、1961年以降で最大となっている」という。

 現在懸念されているのは、大きな被害が出ている江西省にあるハ陽湖(Poyang Lake)。同湖は全体が中国国内にある淡水湖としては最大で、長江に注いでいる。

 国営新華社(Xinhua)通信は、同湖の重要な観測所の一つで、最高水位記録が更新されたと報じた。先に最高水位が記録されていたのは、ここ数十年で最悪の洪水が発生し、4000人以上が死亡した1998年だったという。

 国営メディアによると、江西省で救助隊や兵士、一般市民など10万人超が洪水対策に当たっているとされる。

 国営テレビ局は、このうち約半数が、多くの堤防や土手が決壊した同湖周辺に派遣されていると伝えている。(c)AFP