【7月15日 東方新報】北京で6月中旬以降、新型コロナウイルス感染症第二波が発生したことで、一時復活の兆しがあったウエディング・ブライダル産業が再び集会禁止令を受け、憂き目にあっている。北京のとあるウエディング企業によれば、7月5日の段階で入っていた結婚式の予約は9割以上が延期となり、予約自体も前年同期と比べて格段に落ち込んでいる。

 企業としては、こうした結婚式の大量延期を再調整するために大わらわだという。実際、年明けから断続的に続く新型コロナウイルスのせいで、すでに2回以上、結婚式を延期したカップルも少なくない。

 ある男性は2月に行う予定だった結婚式を6月に延期したが、土壇場でキャンセルを余儀なくされた。「嫁さんも(挙式のために上京して)来たあとに、再延期になった。まあ、みんな健康でいることだし、新型コロナウイルスの流行がいつ終わるかみるしかないね」とあきらめ顔だ。

 そんな中で注目を集めているのが、ガーデンウエディングと「クラウドウエディング」という新しい結婚式スタイルの提案だ。

 今回の新型コロナウイルス感染症第二波の影響で延期された結婚式は、9月以降に日程が再調整されるが、今後のことも考えると結婚式の参加人数や、披露宴の場所なども新型コロナウイルス予防に配慮する必要がある。多くのウエディング企業では、招待客なしの新郎新婦2人だけの挙式や、風通しのよい戸外で行うガーデンウエディング、あるいは、結婚式をライブ配信し、招待客はクラウドミーティングアプリなどを使って参加する「クラウドウエディング」といった新しいスタイルの結婚式を企画したりしている。

 特に「クラウドウエディング」については、今年の5月20日、新型コロナウイルスを闘い抜いた全国各地の100組のカップルが1億人以上のネットユーザーが見守り祝福するなか、集団クラウドウエディングが行われたりして、認知度が高まっている。新技術の中に、中国伝統の結婚式の特色を盛り込んだライブ放送配信式の結婚式は、特に若い人には一般とは違う結婚の記憶になったと好評だったという。ウエディング業界関係者は「疫病によって結婚式の形に変化は生じたが、結婚式をしたいという幸せを求める人たちの内面に変化はない。若い人たちにとってクラウドウエディングという新鮮な体験は伝統的結婚式の形式を突破し、今の環境では大いに肯定され認知されている」と話す。

 地域と空間を超え、知人だけでなく見知らぬネットユーザーも集まって、結婚という幸福の一瞬の立会人になるというクラウドウエディングは、費用も一部節約でき、天候にも左右されず、今後、新型コロナウイルスの問題が終わっても、合理的な若い人たちの間には、あらたなウエディングスタイルとして定着していく可能性がある。

 とはいえ、保守的な世代にとっては、やはり伝統的結婚式を望んでおり、ウエディング業界としては、早く新型コロナウイルスが完全に収束して、費用をかけた大規模披露宴を伴う伝統的結婚式も復活させたいところだ。

 コロナ禍のせいで今年上半期に結婚式が延期された分、9月以降のゴールデンシーズンには、結婚式ラッシュが予想されている。業界では、このポストコロナの婚礼ラッシュで一気に利益が回復すると期待している。(c)東方新報/AFPBB News