【7月11日 AFP】中央アジアの産油国カザフスタンは10日、新型コロナウイルスよりも致死率の高い肺炎が広がっているとした中国大使館の主張を否定した。

 中国政府は9日、在カザフスタン中国大使館のウェブサイトで同国の在留中国人に対し、「新型ウイルスよりはるかに致死率が高い」病気について警鐘を鳴らし、注意を促した。ただし、この主張は後に削除している。

 中国大使館は、カザフスタンでは肺炎によって今年上半期に1772人、「6月だけで628人」が死亡したとも指摘。当初は「カザフスタン肺炎」と表記していたが、後に「非新型コロナウイルス肺炎」に改めている。

 さらに同大使館は、アティラウ(Atyrau)、アクトベ(Aktobe)、シムケント(Shymkent)の3都市について触れ、これらの地方都市で肺炎が流行し、在留中国人の中にも死者が出ていると主張。カザフスタン保健省がこの病気に関する調査を進め、新型ウイルスと比較していると述べていた。

 一方でカザフスタン保健省は10日、中国大使館については言及することなく、「中国メディア」による主張は「現実に即していない」との見解を発表。新型ウイルス肺炎と思われる症状を示しながら検査では陰性だった症例を肺炎に分類したことを認め、この分類は世界保健機関(WHO)のガイドラインの範囲内だと主張した。

 WHOの報道官がAFPに宛てた10日付の電子メールでは、WHOはカザフスタンの主張を支持しているとみられる。(c)AFP/ Christopher RICKLETON