【7月10日 AFP】昨年の火災で焼損した仏パリのノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)の再建計画で、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は9日、尖塔(せんとう)を元の姿に忠実に復元する案を承認した。マクロン氏はこれまで、尖塔に「現代的な」雰囲気を加えたい意向を示していた。

 昨年4月の火災では、19世紀に建造されたゴシック様式の尖塔と屋根が崩落。再建方法をめぐる議論が時に紛糾しながら続けられていたが、マクロン氏の決断により元通りに再建されることが決まった。

 マクロン氏は再建工事を急ピッチで進め、2024年のパリ五輪までに終えることを目指している。同氏は火災の直後、再建後の尖塔に「現代的な趣」を加えたいと表明していた。

 しかし仏大統領府によると、マクロン氏は尖塔を元通り復元するとした再建事業の主任建築家フィリップ・ビルヌーブ(Philippe Villeneuve)氏の案を承認した。

 再建工事に向けた作業は、悪天候や鉛汚染の恐れに加え、新型コロナウイルス流行により大幅に遅れている。火災により溶けた金属製の足場を慎重に撤去する作業が始まったのも、先月上旬になってからだった。再建工事自体が始まるのは来年1月になる見通し。(c)AFP/Stuart WILLIAMS / Laurence BENHAMOU