【7月9日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は8日、リビア内戦への外国勢力の軍事介入が、高性能な装備や傭兵(ようへい)の投入により「前代未聞の水準」に達したと述べた。

 グテレス氏は、国連安全保障理事会(UN Security Council)の閣僚級ビデオ会合で、西部にある首都トリポリと東のベンガジ(Benghazi)のほぼ中間に位置するシルト(Sirte)周辺に集結している軍事勢力について、特に懸念を示した。

 グテレス氏は、「高性能な装備の供与や、戦闘に関与する傭兵の数を含め、外国勢力の介入が前代未聞の水準に達し、リビア内戦は新たな局面に入った」と述べた。

 さらに、国連が承認している暫定政権「国民統一政府(GNA)」側の勢力について、「国外から多大な支援を受けて東に向けて進軍を続けており」、現在シルトの西25キロ付近にいると説明した。

 トルコの支援を受けるGNAは、エジプトとロシア、アラブ首長国連邦(UAE)の支援を受ける元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)司令官が率いる有力軍事組織「リビア国民軍(LNA)」と戦っている。

 グテレス氏は、シルト周辺における驚くほどの軍備増強と、外国勢力のリビア内戦への直接介入が高い水準に達していることに深い懸念を示した。外国勢力の直接介入は、国連の武器禁輸措置と安保理決議、今年1月にベルリンで加盟各国が確認した取り決め違反に当たるという。しかし、具体的な国名には言及しなかった。(c)AFP