【7月6日 AFP】米国でコロナウイルス危機が深刻化する中、同国の流行の中心地となっているテキサス州の当局は5日、感染者数の急増によって病院の対応能力が限界に近づきつつあり、医療制度が崩壊する恐れがあると警鐘を鳴らした。

 全米で280万人の感染が確認され、うち13万人近くが死亡する中、米国は新型ウイルスがもたらした壊滅的な被害への対応に苦慮する一方、多くの州で移動・行動制限の緩和後に感染者が増加している。

 テキサス州の一部では病床が満床に達しており、自宅待機命令の再導入を求める声が高まっている。

 ヒューストン(Houston)を含むハリス(Harris)郡のリーナ・イダルゴ(Lina Hidalgo)判事は米ABCテレビに対し、「ここハリス郡やヒューストン、その他33都市の病院は、対応能力が限界に近づきつつある。使用可能な病床はふさがっている」と語った。

 さらに、「レストランは今も開いている。屋内イベントは規模にかかわらず開催できる」「今われわれに必要なのは、有効な手を打つことだ。それは自宅待機命令だ」と訴えた。

 テキサス州オースティン(Austin)のスティーブ・アドラー(Steve Adler)市長も、新型ウイルスの感染が急拡大しているため、医療制度が崩壊する恐れがあるとの懸念を示した。

 アドラー氏は米CNNに対し、「この道筋を変えなければ、わが市の病院は2週間以内に対応能力の限界を超える。集中治療室(ICU)も10日以内に同じようになる恐れがある」と述べた。

 アリゾナ州フェニックス(Phoenix)のケイト・ガイエゴ(Kate Gallego)市長は、「(経済活動の)再開が早すぎた」と述べ、新たな自宅待機命令を出すべきだと訴えた。(c)AFP/Ben Sheppard