【7月4日 AFP】日産自動車(Nissan Motor)前会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告が昨年12月、日本からトルコ・イスタンブール経由でレバノンに逃亡した事件で、逃亡に関与したとして起訴された被告7人の初公判が3日、イスタンブールの裁判所で開かれ、裁判所は被告5人の保釈を命じた。現地メディアが報じた。

 ゴーン被告は金融不正行為に関連する複数の罪で起訴され、自身のパスポート3冊を弁護団に渡していたにもかかわらず、日本からひそかに出国。イスタンブールの空港でプライベートジェットに乗り換え、レバノンに逃れたとみられている。ゴーン被告は起訴内容を否認し、逃亡以来、レバノンに滞在している。

 トルコ半国営のアナトリア(Anadolu)通信によると、7被告のうちトルコのプライベートジェット運営会社、MNGジェット(MNG Jet)の従業員だったオカン・キョセメン(Okan Kosemen)被告と操縦士4人が「違法に移民を密航させた」罪に問われているほか、客室乗務員2人が犯罪を通報しなかった罪に問われている。

 トルコ検察当局は、元米軍特殊部隊員のマイケル・テイラー(Michael Taylor)容疑者とレバノン国籍のジョージ・ザイエク(George-Antoine Zayek)容疑者がキョセメン被告を雇い、ゴーン被告がイスタンブールで乗り換えられるように手配したとしている。

 だが7被告はいずれも起訴内容を否認している。公判でキョセメン被告は、ゴーン被告の逃亡ほう助に雇われたことを否定。操縦士4人と客室乗務員2人も、ゴーン被告が機内に搭乗していたことは知らなかったと主張した。

 民営のデミルオレン通信(DHA)によれば、キョセメン被告と操縦士4人は1月に逮捕され、勾留下にあったが、判事により保釈が認められた。5被告は今後、海外渡航が禁じられる。

 アナトリア通信によると、キョセメン被告と4人の飛行操縦士は、有罪となると禁錮8年が科される可能性がある。客室乗務員2人は有罪と認められれば1年の禁錮刑が科される可能性があり、公判中は勾留されていない。(c)AFP