■英市民は移民を受け入れたいか

 2016年の英国民投票でEU離脱派に勝利をもたらしたのは、一部には国境管理を復活して、国内で職を争う移民を排除したいとの願望だった。

 約5年前に中東からの移民の波が欧州全体に広がって以降、この問題をめぐる熱は収まっている。

 だが、国民投票当時活発だったいくつかの反移民団体は現在、香港住民数百万人が英国にやって来るという考えに警戒の声を上げている。

 移民規制を求める団体「マイグレーションウォッチ・UK(Migration Watch UK)」は、「移民規制にとって潜在的惨事」と呼んでいる。

 だが、この見方は、EU離脱を支持したさらに保守的な団体の間で共通したものではない。

 かつてジョンソン首相自身が編集長を務めた英誌スペクテーター(Spectator)は、香港を支持し、香港住民に英市民権を与えるよう何十年も主張してきた。

 多くの古参保守党員も、1997年の香港返還以前に行われるべきであったが行われなかった移民制度の変更によって、歴史的誤りが正されると信じている。(c)AFP/Dmitry ZAKS