【7月3日 AFP】香港の最も著名な若手民主活動家の一人、羅冠聡(ネイサン・ロー、Nathan Law)氏は2日、中国政府が香港に国家安全維持法を導入したことを受け、海外に逃れたことを明らかにした。

 羅氏は記者に宛てた短い英語メッセージで「私はすでに香港を離れており、国際的なレベルで活動を続ける」と説明。「リスク評価に基づき、現在の所在と状況については多くを明らかにするつもりはない」とし、渡航先の国については明言を避けた。

 これに先立ち香港政府は、同市の民主派デモで昨年から繰り返し使われてきたスローガン「光復香港、時代革命(香港を取り戻せ、時代の革命だ)」が、新法の導入に伴い違法となると発表していた。

 このスローガンは一部の人にとっては、中国からの香港分離を真に願うものだが、多くの人にとっては民主化を訴え、中国政府の支配に対して高まる不満を表す意味合いの方が強い。スローガンの禁止は、6月30日夜に施行された新法の下では特定の平和的な政治的見解も違法となることを確認した形となった。

 羅氏は新法が施行されてまもない1日、米下院外交委員会(House Committee on Foreign Affairs)の公聴会に動画で出席し、このスローガンを叫んでいた。(c)AFP