コロナでも変わらない伝統 「頭蓋骨の村」の風葬 バリ島
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■「頭蓋骨の島」
ワヤン・スカルミン(Wayan Sukarmin)さんは、20年間観光客にトルニャンの慣習を紹介してきたベテランガイドだ。外の人たちが「頭蓋骨の島」と呼ぶ墓地で働くのは怖かったが、もう慣れたと話す。
竹製の囲いがいっぱいになったら、新しい遺体に場所を開けるため、古い遺体は屋外の共同墓地に移される。やがて骨だけになったら、頭蓋骨は自然に砕けて土に返るまで石の祭壇に安置される。
「バリ・アガ(Bali Aga、山の人々)」と呼ばれるトルニャンなど人里離れた村に住む人々は、バリ島にもともと住んでいた原住民の子孫だと主張している。歴史的文献によると、トルニャン村の本堂は、10世紀までさかのぼるという。
風葬の伝統の起源には諸説ある。
ある伝説では、風葬を行っている地域はかつて、貴重なベンガルボダイジュをめぐって人々が争った場所だった。ここを勝ち取った指導者は平和を維持するため、遺体の臭いがこの地の魅力を引き下げると信じ、遺体を安置することにしたという。
また、付近の火山が火葬に怒って噴火するのを避けるため、風葬にしたという言い伝えもある。(c)AFP/Agnes ANYA