【7月2日 AFP】米税関・国境警備局(CBP)は1日、中国西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の収容所で、イスラム教徒らを強制労働させて生産されたとみられる人毛製品を押収したと発表した。

 人毛製品は、中国企業「Lop County Meixin Hair Product Co」が発送した積み荷13トン、80万ドル(約8600万円)の一部。CBPは6月17日、子どもを含む人々を強制労働や収容所での労働に従事させて生産されたとして、同社製品の押収を命じていた。

 CBPのブレンダ・スミス(Brenda Smith)氏は、「これらの製品の生産は、非常に重大な人権侵害に当たる」「押収命令の狙いは、米国と取引しようとする全ての主体に明確かつ直接的なメッセージを送ることだ。米国のサプライチェーンにおいて、社会のルールに反した非人道的な行為は容認できない」と述べた。

「Lop County Meixin Hair Product Co」は、新疆第3位の人毛製品輸出業者で、一般的に織物やエクステなどに人毛を使っている。強制労働を行っているとして最近、ブラックリスト入りしていた。

 米国の国務省、商務省、財務省、国土安全保障省は米事業者に対し、中国の新疆などでの強制労働や収容所での労働に関わるサプライチェーンを通じての商品輸入や、新疆当局に使用される監視ツールの供給、新疆でイスラム教徒や少数民族を大量拘束するための施設の建設支援に注意するよう警告した。

 米国務省は、「(中国政府は)ウイグル人、カザフ人、キルギス人、イスラム系少数民族を標的として、新疆で弾圧作戦を続けている」「(こうした人々を弾圧にさらす企業は)評判を落とすリスクや、経済的・法的リスクを負っていると認識しなければならない」と述べた。(c)AFP