【6月30日 AFP】米カリフォルニア州で29日、1970~80年代に嗜虐(しぎゃく)的な犯罪を繰り返した元警官に対する裁判が行われ、被告は殺人13件に加え、強姦(ごうかん)、強盗、拉致など計数十件の罪を認めた。これにより、同州を20年にわたって恐怖に陥れた一連の事件の幕が下りた。

 この一連の殺人・レイプ事件の犯人は、カリフォルニア州の別名「ゴールデンステート」から「ゴールデンステート・キラー」と呼ばれていた。

 司法取引のため、同州サクラメント(Sacramento)の裁判所に出廷したジョゼフ・ジェームズ・デアンジェロ・ジュニア(Joseph James DeAngelo Jr)被告(74)は、法廷内でおぞましい犯行の詳細が読み上げられると、全ての罪状を認め、「ゴールデンステート・キラー」であることを自白した。

 痩せ衰えたデアンジェロ被告は、オレンジ色のつなぎ服と透明のフェースシールドを着用し、車いすで入廷。裁判官が質問するたびに、司法取引の条件通りに「はい」、「いいえ」、「罪を犯しました」、「認めます」と短く答弁した。

 エイミー・ホリデー(Amy Holliday)検察官は、ベトナム帰還兵だった被告に対し、死刑の代わりに仮釈放なしで連続11回の終身刑という司法取引があったことを明かした。

 デアンジェロ被告は、「ゴールデンステート・キラー」が最後の凶行に及んでから30年後の2018年に逮捕された。警察が犯行現場から採取したDNAが、同被告の親族が利用した家系図データベースとの照合で一致したことにより、犯人追跡がようやく終了した。(c)AFP/Andrew MARSZAL