【6月29日 AFP】(更新)米ミシシッピ州上院は28日、州旗から南部連合(Confederate States of America)の軍旗(南軍旗)の意匠を除く法案を賛成37、反対14の賛成多数で可決した。南部連合の軍旗は米人種問題の暗い遺産のシンボルと見なされることが多い。

 下院でも上院採決の数時間前に賛成91、反対23で可決されていた。この問題で同州上下両院は数週間にわたって圧力を受け、採決前には数時間にわたる熱のこもった議論が行われた。議論には加わらなかったテート・リーブス(Tate Reeves)知事(共和党)は27日、法案が可決されれば署名する意向を示していた。

 ジョン・ホーン(John Horhn)同州上院議員(民主党)は、州旗を変えたからといって歴史に根ざす米国の人種差別問題が解決するわけではないが、「それでもこれは、一人一人が神から与えられた人間性と自尊心を認識する大きな一歩だ」と述べた。

 ジョージア州は2003年に同様の措置を取り、州旗に南軍旗の意匠があるのはミシシッピ州だけとなっていた。ミシシッピ州は2001年、住民投票の圧倒的賛成多数により現在の州旗を残すことを決めていた。当時賛成派は州旗のデザインは南部の歴史と伝統の誇りのシンボルだと主張していたが、この1週間でデザイン変更の世論が急激に高まった。

 可決された法案によると、9人から成る委員会で新州旗のデザインを作成する。新州旗には南軍旗の意匠は含めず、「In God, We Trust(われらは神を信ずる)」の文言をあしらうという。

 11月に新デザインを住民投票にかける。承認されなければ、新しいデザインが承認されるまでの期間、ミシシッピ州は州旗を用いないという。(c)AFP