【6月27日 AFP】新型コロナウイルスが流行している中で、リバプール(Liverpool FC)のイングランド・プレミアリーグ優勝を祝って本拠地アンフィールド(Anfield)周辺の通りに流れ込んだ数千人のファンについて、地元警察はその行動を批判し、警戒感を示すように促した。

 25日の試合で2位のマンチェスター・シティ(Manchester City)がチェルシー(Chelsea)に敗れ、リバプールが30年ぶりのリーグ優勝を果たすと、歓喜に包まれたサポーターがスタジアム周辺に押し寄せた。

 地元警察の署長補佐は、リバプールが位置するマージーサイド(Merseyside)州は新型ウイルスの危機で「過度に影響を受けていた」として、人々にはこれ以上の感染拡大を防ぐ責任があると強調。安全に優勝を祝うよう訴えた。

「大多数のファンは、今は集まって喜ぶ時ではないと分かっており、安全に祝うことを選んだ」「彼らはこの街の誇りだ」「残念ながらロックダウン(都市封鎖)の期間中にも見られたように、誰もが規則を忠実に守っているわけではない。大多数がおとなしく祝っている一方で、大勢の人々がスタジアム周辺に集合した」

 リバプールの優勝が確定して1時間もしないうちに、数千人のファンがほぼマスク姿でアンフィールドの外に集まって赤の発煙筒をたいたり、合唱したりしていた。抱擁を交わす人も多く、旗やスカーフ、中にはビールケースを持ってきたファンの姿があった。

 また、サポーターに集まらないように訴えていた、ユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督の人型段ボールに腕を回して立っていた男性ファンもいた。

 ファンが祝勝していたエリアには警察官の姿が見られたが、おとなしく喜びに浸っている人々を追い払おうとする様子はなかった。リバプール市議会はファンに対して、「素晴らしいパーティーを」と呼び掛ける一方で、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を維持しながら祝うように促した。(c)AFP