【6月26日 AFP】米ウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)は25日、米国内のテーマパークの人気アトラクション「スプラッシュ・マウンテン(Splash Mountain)」を、同社史上初の黒人プリンセス映画をテーマにリニューアルすると発表した。同アトラクションについては、テーマとなっている映画が人種差別的な内容を含むとして、改装を求める署名が行われていた。

 発表によると、カリフォルニア州のディズニーランド(Disneyland)とフロリダ州のディズニー・ワールド(Disney World)のスプラッシュ・マウンテンが、黒人プリンセスのティアナを主人公とする『プリンセスと魔法のキス(The Princess and the Frog)』(2009年)を基に「完全に再創造」される。

 同社は「新しいコンセプトはインクルーシブ(包摂的)で、ゲスト全員が共感でき、触発されるもので、当社テーマパークを毎年訪れる数千万人の人々の多様性を反映したものだ」と表明した。

 これまでスプラッシュ・マウンテンのテーマとなっていた『南部の唄(Song of the South)』(1946年)は、南北戦争(American Civil War)後の米南部での暮らしを人種差別的なステレオタイプと共に描いたとして長く批判されてきた。

 米国では5月末、黒人のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警察の拘束下で死亡した事件を機に、人種差別に抗議する大規模なデモが全土に拡大。人種差別の歴史を直視する動きが広がり、各地で歴史上の人物の銅像や記念碑が撤去されている。

 ディズニーは「スプラッシュ・マウンテンのテーマを変えることは、現在特に重要なこと」としつつも、リニューアルには昨年から取り組んできたと強調。長年にわたり各アトラクションの改装を行ってきたと説明した。(c)AFP