【6月25日 AFP】米ニューヨークのあちこちで、花火を一晩中打ち上げる迷惑行為が数週間にわたって続いており、騒音が日暮れから夜明けまで響いて「眠らない街」の二つ名に悪い意味でふさわしい状態となっている。

 ニューヨーク市内では、花火の売買も点火も違法だ。7月4日の独立記念日(Independence Day)には公式行事で花火の打ち上げがあるが、夜中の迷惑行為で使われているものには業者向けの花火も含まれる。

 花火騒ぎは、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)に伴う長期の外出制限でたまった鬱憤(うっぷん)を晴らしているだけとの見方もある。だが、住民の多くは全く楽しんでいない。

 警察はAFPの取材に、市内で今年これまでに寄せられた違法花火に関する苦情は1万3300件を超え、うち1万2500件が今月に入ってからの通報だと明かした。これに対し、昨年1~6月の苦情件数はわずか1007件だったという。

 ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は23日、花火の打ち上げを取り締まる特別対策班を立ち上げ、販売業者を対象におとり捜査などを行って「違法花火を根本から摘発する」と発表した。

 この発表には、人種差別と警察の過剰な力の行使をめぐるデモに揺れた直後とあって、警察の取り締まり強化への懸念の声がソーシャルメディア上で広がった。デブラシオ氏は、取り締まり対象は街角で騒ぐ若者たちではなく「大量の花火を流通させて利益を得ている」「大物」だと強調している。

 真夜中の迷惑花火はボストンやシカゴなど他の米大都市でも増えており、問題となっている。(c)AFP