【6月25日 AFP】ドイツ製薬大手バイエル(Bayer)は24日、除草剤「ラウンドアップ(Roundup)」の発がん性をめぐって米国で起こされた訴訟の大半について、計100億ドル(約1兆円)超の和解金を支払って決着させることで合意したと発表した。

 バイエルは、ラウンドアップの製造元である米モンサント(Monsanto)を2018年に630億ドル (約6兆7000億円)で買収したが、この除草剤のせいでがんを発病したと訴える訴訟が相次ぎ、大きな頭痛の種となっていた。

 バイエルのベルナー・バウマン(Werner Baumann)最高経営責任者(CEO)は、「長期にわたる混迷に終止符を打つため、和解はバイエルにとって適切なタイミングでの適切な行動だ」と説明した。

 バイエルはまた、ラウンドアップ以外の複数の製品をめぐる法廷闘争についても、数億円規模の和解金で決着をつけることで合意したとも発表した。

 突然の発表を受け、バイエルの株価は時間外取引で6%近く値上がりした。

 バイエルによると、今回のラウンドアップ訴訟の和解により、約12万5000件の争訟の75%が決着する。

 ただ、学校の校庭を管理していたドウェイン・ジョンソン(Dewayne Johnson)さんがラウンドアップにより末期がんになったと訴えて7850万ドル(約84億万円)の損害賠償命令がバイエルに下された裁判など、同社が上訴中の訴訟3件は今回の和解に含まれていないという。(c)AFP/Michelle FITZPATRICK