【6月24日 AFP】米地方裁判所がカリフォルニア州当局に対し、ドイツ製薬大手バイエル(Bayer)の除草剤ラウンドアップ(Roundup)に発がん性物質が含まれることを示す警告文の表示を禁じる判断を下したことが分かった。ラウンドアップを開発した米農薬大手モンサント(Monsanto)を2018年に買収し、この商品をめぐり数万件の訴訟を起こされたバイエルにとって勝利となった。

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 カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法)は、同州が発がん性があると判断した化学物質を含む製品への警告文の表示を義務付けている。

 2015年に世界保健機関(WHO)の外部機関「国際がん研究機関(IARC)」がラウンドアップに含まれるグリホサートを「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と分類したが、ウィリアム・シャブ(William Shubb)判事は22日夜に公開された34ページの決定文書で、米環境保護庁(EPA)やWHOの別の外部機関など「他の幾つかの機関」が「グリホサートの発がん性を示す証拠は不十分あるいは存在しないと結論付けている」と指摘し、グリホサートに発がん性があるとは分かっていないことを重視すれば、カリフォルニア州はIARCの分類に基づいて警告文の表示義務を課すことはできないとした。

 この件で2018年にカリフォルニア州に仮差し止め命令を出していたシャブ判事は、今回の判断で同州の異義を退け、この命令を永久的なものとした。

 AFPはカリフォルニア州司法長官室にコメントを求めたが、回答はなかった。(c)AFP