■「共通の敵」

 また、アジア系米国人の若者の多くは反黒人感情と闘うことについてオンライン上で議論、情報交換をしている。

 中国とベトナムの血を引くミネソタ大学ツインシティー校(University of Minnesota Twin Cities)の学生ジェニー・タム(Jenny Tam)さん(21)は、フロイドさんの死後、抗議活動への参加を希望するミネソタ在住のアジア系をつなげる「ブラックパワーを支持するアジア系米国人(Asian America for Black Power)」というフェイスブック(Facebook)グループを立ち上げた。

 約3000人のメンバーを擁する同グループは、寄付はどこにするのか、何を読むべきか、どこで抗議活動を行うのか、人種差別について家族とどう話をすればいいのかといった情報を共有する場となった。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で、中国を批判する声が多く上がり、アジア人に対する差別が噴出したが、アジア系米国人にとってこれが一種の注意喚起となったとタムさんは指摘する。

 人種差別は「私たちを異なる形で虐げているかもしれない。しかし、私たちには共通の敵がいる。同じものと闘っている」と、ベトナム戦争(Vietnam War)後にミネソタ州に移住してきた両親を持つタムさんは言う。

「私たちは白人ではない。だから白人を支え、私たちの黒人コミュニティーを傷つける制度を擁護することはできない」 (c)AFP/Tori Otten