【6月23日 AFP】フランスで17年前、9歳の少女が行方不明になった事件について、別の事件で収監されている連続殺人犯が最近になって殺害を自白したことを受けて、法医学専門家らが22日、少女の遺体の捜索を開始した。

 2003年1月、首都パリ東郊の町で下校途中に行方不明になっていたのは、エステル・ムザン(Estelle Mouzin)さん。

 ムザンさんの遺体の捜索は、消息を絶った場所から200キロ以上離れた同国北部アルデンヌ(Ardennes)にあるミシェル・フルニレ(Michel Fourniret)受刑者がかつて住んでいた民家で始まった。

「アルデンヌの食人鬼」との異名をとるフルニレ受刑者は、少女や若い女性計7人を殺害した罪で終身刑が言い渡され、2008年5月から収監されている。同受刑者は昨年11月になって、元妻がアリバイを否定したことから、ムザンさん失踪事件でも訴追された。

 元妻のモニク・オリビエ(Monique Olivier)受刑者も、一部の誘拐や殺害に加担した罪で、28年間仮釈放なしの終身刑に処されている。

 フルニレ受刑者は今年3月、ムザンさん殺害を予審判事らに自白したものの、遺体の所在については口を閉ざしている。

 22日の捜索には、警察官約50人の他、法医学専門家や考古学者、軍の技術者らが加わり、これまで一度も捜索が行われたことのなかったこの家の敷地を掘り起こす準備が行われた。

 捜査班が特に注目しているのは、フルニレ受刑者がコンクリートで覆った地下室。掘削作業に入る前に地中を調べるため、レーダー装置も運び込まれた。捜索現場には、行方不明になった少女の家族の支援者らの姿もあった。

 警察は、付近のソトゥー城(Chateau de Sautou)の敷地内にある、フルニレ受刑者の別の元住居も立ち入り禁止とした。同地では2004年に、12歳の少女と22歳の女性の遺体が発見されている。(c)AFP/Dominique Charton and Eleonore Dermy