【6月22日 AFP】19-20イタリア・セリエAは21日、第25節延期分の試合が行われ、アタランタ(Atalanta)は4-1でサッスオーロ(US Sassuolo)に勝利。「私もあなたも生まれ変わる」というメッセージに刺激を受けたアタランタは、ホームで再開後の初戦を堂々と飾った。

 ミラノ(Milan)を州都とする北部ロンバルディア(Lombardy)州のベルガモ(Bergamo)は、イタリアにおける新型コロナウイルス感染の中心となっており、深刻な被害が出ていた。

 アタランタが無観客のゲヴィス・スタジアム(Gewiss Stadium)にサッスオーロを迎えた試合は、同都市において新型ウイルスで亡くなった数千人を追悼するための一戦となった。

 ドゥバン・サパタ(Duvan Zapata)が2ゴールを挙げ、ベラト・ジムシティ(Berat Djimsiti)の得点とメフディ・ブーラビア(Mehdi Bourabia)のオウンゴールで4点をリードしたアタランタは、失点を後半アディショナルタイムの1点に抑えた。

 ベルガモ県では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行時に通常よりも6000人多い死者が出ており、その中には人口約12万2000人のベルガモ市で亡くなった670人も含まれている。

 試合前の黙とうでは、ロックダウン(都市封鎖)の期間中に地元出身のミュージシャン、ロビー・ファッキネッティ(Roby Facchinetti)氏が作曲した「Rinascero, Rinascerai(私もあなたも生まれ変わる)」が流れる中、選手たちは円になった。

 アタランタはSNSでもこの曲を用いた映像を公開し、その中では医師や看護師が同じ「Rinascero, Rinascerai」というメッセージを掲げていた。

 試合前にチームバスが到着した際には、スタジアムの周りに集まっていた数人のファンが選手たちを出迎えた。その中の一人は「中に入れないと分かっていたが、それでもチームを応援するためにやって来た」「情熱はとても強い」とAFPに語った。

 一方で、「ティフォージ(ファン)がいなければサッカーじゃない」というバナーを掲げるファンがいるなど、いまだ再開に反対したままの人もいた。

 アタランタは来シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2020-21)出場権が与えられる4位の座を盤石なものとし、5位ASローマ(AS Roma)との勝ち点差を6に広げた。(c)AFP/Emmeline MOORE